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時代

今でもはっきりと思い出せます。
自分がお年玉を全部使って「買ってしまった」リールはシマノ社の初代アンタレスでした。
中学3年生の時でした。
震えながらお店の人にお願いし、「ドキドキ」と「罪悪感」が混在し「よくわからないがやってしまった」思いに変な汗がひたすら出ながらチャリンコをこいだ帰り道。
幼少時、欲しくて買えかなかったと年配の方の話を聞いた事もありましたが、自分は物心つき始めたタイミングはいわゆるバブル期。そんな時代背景もあり少なからず、釣具を手に入れることができていたのです。
常に良い時代があったわけではなく、その後混沌とした90年代、不況の2000年代へ突入していったわけですね。
昭和生まれでいえばこういった背景は重なる部分があるかと思います。
いわゆるJAPANESE TOP WATER BASS FISHINGは日本の経済成長期にともない舶来物に触れ始め、歴史が始まりました。
しかし、近頃思うのはそこに自分のルーツは無かったのだな、と。
当たり前ながら自分はリアルタイムでそれらを見聞きしたわけではないので。
当時の日本製品も外国製を模倣し「追いつけ、追い越せ」からスタートし日本を代表するD社とS社、G社は今や世界中で支持されてます。
ルアーで例えましょう。
ペンシルベイトの代表といえばヘドン社のザラスプークがあります。
釣具の歴史を変えた存在としてリスペクトは自分にもあります。
以前、「自分はそこでルアーを知ったのではない」と思って、諸々発言したことがあります。
ザラスプークを知らないとは「基本が成ってない」とよく言われました。
それでも自分が育ってきた「バス釣りブーム」の中のペンシルベイトの顔であったのは「サミーとドッグX」になります。
しかし、それらのペンシルベイトはザラスプークを研究した日本の技術者が作り出した「ザラスプークの模倣」から始まっている事をあとから理解しました。
そうなると「ザラスプークなんて過去の遺物だ」と思っていた恥ずかしい思い出がありますが、自分が憧れてしまった日本製品も辿れば「ザラスプークに行き着く」ことになり、ということは知らずに「ザラスプークに自分も影響されている」矛盾に気づかされました。
この自己矛盾に途方に暮れた時期を思い出します。
年齢を重ねるのは時にありがたい怪我の功名をもたらしてくれる事もあり、「自分が使いたいルアーを自ら作る」という余裕を作り出してくれました。(いわゆるアレコレ考えるのがめんどくさくなる、ともいう)笑。
おかげで今は純粋に自分の方向性を整理することができ、過去にとらわれなくなりつつあります。
原始的なモノやら近代的なモノやら芸術性なモノやら、常に混沌している自分、世相ではありますが、少なからず「これは要らない、こんな用途のモノが欲しい」が、自分の中でやっと整理でき始めてます。
90年代、世界は目まぐるしく変化していき、たまたま生まれ、それらを垣間見た自分は幼少ながらなんとなく感じ、今になれば時代の一区切りがあったのを感じています。
「ゆとり世代」、「インターネットの普及」、終わりと、新たな始まりがあったのだなぁ、と。(昭和から平成などの政治的な見方ではなく人と世の流れ、な意味で)。
ポケベルも知り、スマホも知り、な自分の世代です。
その瞬間を垣間見れた自分は時に活発的であり、時に退廃的でもあります。
よく分からなくなってまいりましたが笑、
日本で作られた釣具に同じ日本人として誇りを感じている、ということです。
自分が作りたいルアーに全力を持って取り組む「しかない」、と窓際に鎮座する初代アンタレスを見て思った日でした。
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